親方は現場の事故で右半身付随となり、大変な努力でかなりの回復をされましたが歩行の介護が必要でした。
その分 お言葉は達者で作業中は道路に置いた椅子にどっかと座り、左手に竹の棒を持ち存分に私を監督することになりました。作業の全てが道路上で行うため近所の人や子供たちも珍しそうに立ちどまり、始めはいささか恥ずかしかったですが親方の熱心さにこちらも夢中でした。
慣れない瓦の扱いと尺貫法の作業で参りましたが、それ以上になかなか思うようにいかない親方の方がさぞし
大変だったことと思います。
年末の寒い時で、たびたび親方をトイレにご案内するのも女房共々ひと騒ぎでした。
工事が始まると次第にお言葉も厳しくなり、いつしかご近所付き合いの関係から徒弟の間柄となり、様子を見に来た奥さんに親方が叱られることもたびたびありました。
しかし さすがに年季の入った職人の指導は的確で無駄がなく、厳しさも気持ちの良いものでした。
予定どうり 正月に間に合い完成した時に「良く頑張った」とお褒めの言葉を頂きいたく感激しました。
いまでは親方は杖で歩けるようになり時々点検に現れます。
おかげで嬉しいご近所の友人が一人増え、親しいお付き合いをさせていただいています。
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