藍染絞り手拭 挑戦

   「ほそじま絞り」

  親しい仲間と京都から若狭への旅の途中、茅葺屋根の村落で有名な美山の里に小さな藍染工房が

  ありました。

  親切なご主人が、藍染の高名な先生であったことは、後になって知った事です。

彼が考案した新しい絞りによる作品の素朴さと方法が独特です。

大きなドラムに張った布を爪でしわを寄せて巻き取り、ドラムごと染める手法です。

繊細な細縞を連続して染めることが出来、浴衣や手ぬぐいなどの模様に適して

います。

 (これが本物)  

 

美山で撮ってきた写真とお話をもとに、身の回り

の手に入る資材で冶具を作りました。

試行錯誤の繰り返しも楽しみのうちです。

 

染め上がった物は先生には及びませんが、

結構 粋なものとなったと思っています。

 

             

 

 

 

   「板締め豆絞り」

   江戸時代 尾張の有松で生まれた豆絞りは当代の江戸っ子に大人気で、職人や祭りの際には必需品で

  あったそうです。

  現在は型染めのプリントで作られていますが、有松で83歳の伝統工芸士が江戸職人の技法を復活した

  資料を読みすっかり魅せられてはじめましたが、とんだ苦労ものでした。

  失敗の連続で大量の雑巾を生み、一年がかりでやっと思うようなものが出来るようになりました。

  作り方が複雑なのでご案内させて頂きます。

   

晒し木綿を3センチ幅の塩ビの板をガイドに屏風にたたみ、板を抜き取った布の束を両側から木枠で

挟みつけます。 布束の上下に豆の間隔でスリットを切った櫛形の木製枠をあててボルトで締付けます。

木枠をジャッキで締め上下の櫛形を生地に食い込ませ、木枠ごと藍液に浸します。

櫛形のスリットから液が流れ込み、折りたたんだ生地の縁に藍が染まり櫛形の食い込み部は白く残ります。

締め具合や染時間、生地の含水量等でその都度染上りが違い、豆がつながったり大きさが違ったりと

同じものはありませんが、それが枠を開く時の楽しみでもあります。

和風小物店を営む友達のすすめで店においてみたところ、月に10本ほど買っていただいています

売れる事より素人の趣味をご理解頂けたことが嬉しく、励みになっています。