絞りに付いて
これまでも、度々絞りの効果については、話してきたので、皆さんは熟知しているでしょうが、復習の意味で再度取り上げてみた。カメラ任せのオートで撮影すると、撮影者の意図した絞りの効果が生かせない場合がある。
絞りの働きと効果
1.絞りは、レンズを通る光を調整する働きをする。絞りを開けて(数字を小さくする)穴を大きくすれば多量の光が通り、絞りを絞れば(数字を大きくする)、穴が小さくなるので、穴を通る光の量は少なくなる。この絞りを数字化した単位がレンズにある絞りの数字で、5.6,11などで表示され、通常頭にfを付け表示される。
2.絞りはピントが合って見える範囲を調整する。すなわち、絞りを開ければシャープ見える範囲は狭く、絞りを絞る(数字を大きくする)と、シャープに見える範囲が広くなる。これを被写体深度といい、作画上、大変重要な要素である。
この被写界深度はレンズの焦点距離によって異なり、焦点距離の短い広角レンズは、焦点深度が深く、焦点距離の長い望遠レンズは焦点深度が浅いため、深いピントを得るためには、かなり絞り込まなければならない。
レンズの性質上、ピントを合わせた位置の手前より奥の方がピントの合う範囲が広くなり、その割合は、手前1/3,奥2/3くらいといわれている。
適正な絞り値
適正な絞り値は、使用するレンズ、カメラと被写体および背景までの距離によって異なってくる。また、撮影者が何を表現したいかによっても異なってくる。
レンズの最小絞り値よりも1絞り以上絞ることがシャープな画像を得るためには必要であるといわれている。また、フィルムカメラではあまり意識されなかった絞りすぎの悪効果も、デジタルカメラでは指摘されるようになってきた、即ち、絞り込みすぎると回析現象により鮮明度画低下するといわれる様になってきた。
その値は、レンズによっても異なるが、11〜16までが限界といわれている。
私もフィルムカメラを使用していた頃、特に風景写真などは、f22位まで絞っていたが、
上記の現象が指摘されてから、特別の場合以外は11程度の絞りに抑えることが多くなっている。