トリミングとフレーミング

 

トリミング

月例会の時、よくここを切った方が良いとトリミングの話をする。写真の中で不要と思われる部分が画面に現れていれば、それを除くのがトリミングである。

写真の経験が浅いうちは、被写体を見ると欲張ってあれもこれも画面に写し込みたくなる。以前に話したように、写真は引き算、要らない部分を引いて、表現したい部分を強調する、これがトリミングである。自分で撮影した写真をトリミングしてみると、構図の勉強になって、以降の撮影に生かせるようになる。

しかし、トリミングにあまりこだわり過ぎるのは良くない。トリミングが大きすぎると、写真の画質は必ず低下する、横構図で撮った写真を立構図に変えるようなトリミングは極力やらない方がよい。とっさのスナップでは止むを得ない場合もあるが、トミングが多いのは、自分が表現したいものがハッキリしていないためと理解しても良い。

 

フレーミング

 フレーミングとは、ファインダーの中の構図と解釈すればよい。撮影する時、余分なものや目障りなものが入らないように撮影者が移動したり、レンズをズーミングして画面を微調整する、これがフレーミングである。ファインダーの中でフレーミングを行うためには、はじめから自分で表現したいものを充分明確にしていなければならないと同時に、写真の構図について理解していなければならない。

 

どのように両者を組み合わせるか

 結論的には、撮影時に決めたフレーミングの写真をそのまま使用する、ノートリミングが基本で、トリミングが多いのは不出来な写真を手直しする、いわば救済処置と解釈したほうが良い。写真の経験が深まるにつれ、トリミングが少なくならなければならない。

 但し、下記理由で最低限のトリミングは必要となる。

 

・ファインダーの視野率は実際の画像より小さい。

多くの一眼デジタルカメラの視野率は代替95%程度であり(フィルムカメラでも類似)、撮影された写真は、ファインダーで見た像より余分なものが写りこんでいる。

これは、カメラの機種によって異なるので(一般的には高級カメラほど、視野率は高い)、自分のカメラの視野率を認識していなければならない。

・写真のサイズは、撮影される画像と縦横比が異なる(従来からの説明通り)。

 

今年はそろそろ被写体をフレーミングで見極め、少ないトリミングで写真を創ることを目標にしませんか?